介護保険の負担額の計算方法とは?

介護保険の負担額の計算方法とは?

介護保険を利用する際に気になるのが 自己負担額 です。介護サービスを受ける際、全額が保険でカバーされるわけではなく、一定の自己負担が発生します。では、どのように計算されるのか? 本記事では 介護保険の自己負担額の計算方法 を詳しく解説します。


1. 介護保険の自己負担割合

介護保険のサービスを利用すると、基本的に 利用料金の1〜3割 を自己負担する仕組みになっています。

所得区分自己負担割合
低所得者(住民税非課税世帯)1割
一般所得者(年金280万円未満)1割
一定以上の所得者(年金280万円以上)2割
高所得者(年金340万円以上)3割

※ 年金額は単身世帯の場合(夫婦世帯では基準額が異なります)

たとえば、デイサービス(通所介護)を 1回5000円 で利用した場合の自己負担額は次のようになります。

  • 1割負担 ➝ 500円
  • 2割負担 ➝ 1000円
  • 3割負担 ➝ 1500円

この自己負担割合は、毎年の所得状況に応じて変わるため、市区町村から送られる「負担割合証」を確認しましょう。


2. 介護保険の利用限度額(支給限度額)

介護サービスには 1か月あたりの利用限度額(支給限度額)があり、これを超えると全額自己負担になります。

要介護度1か月の支給限度額
要支援1約5万円
要支援2約10万円
要介護1約17万円
要介護2約20万円
要介護3約27万円
要介護4約31万円
要介護5約36万円

例)要介護3(限度額27万円)の場合

  • 訪問介護、デイサービス、福祉用具レンタルなど 合計25万円限度額内なので1〜3割負担
  • 合計 30万円 利用 ➝ 超えた3万円分は全額自己負担

3. 介護サービスの自己負担額の計算方法

① 介護サービスの利用料金を確認

各サービスには決まった単位数(ポイントのようなもの)があり、これに地域ごとの 単位単価(1単位あたりの金額) をかけて計算します。

たとえば、東京23区の 1単位の金額が10.72円 とすると、

| 介護サービス | 単位数 | 料金(目安) | |—|—|
| 訪問介護(30分) | 255単位 | 約2730円 | | デイサービス(5時間) | 700単位 | 約7500円 | | 福祉用具レンタル(歩行器) | 500単位 | 約5400円 |

※ 単位単価は地域によって異なります


② 自己負担割合をかける

例えば、要介護3の人 がデイサービス(5時間7500円)を 月8回 利用した場合の計算は以下のとおりです。

  • 7500円 × 8回 = 6万円(1か月の合計)
  • 自己負担1割の場合 → 6000円
  • 自己負担2割の場合 → 1万2000円
  • 自己負担3割の場合 → 1万8000円

このように 利用料金 × 自己負担割合 で計算できます。


4. 高額介護サービス費の上限(負担を軽減する制度)

介護保険には、自己負担額が 一定額を超えると払い戻しを受けられる「高額介護サービス費」制度 があります。

所得区分1か月の自己負担上限額
低所得者(住民税非課税世帯)1万5000円
一般所得者(年金280万円未満)2万4600円
一定以上の所得者(年金280万円以上)4万4400円
高所得者(年金340万円以上)14万100円

例えば、要介護3の人 が1か月で 4万円分 の介護サービスを利用した場合、一般所得者なら 2万4600円 を超えた分(1万5400円)は後で払い戻されます。


5. 施設入居時の負担額の計算

特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)などの施設を利用する場合、自己負担額の計算方法が異なります。

項目費用目安
介護サービス費約6万〜12万円(1〜3割負担)
食費・居住費約5万〜10万円
その他(医療費など)約1万〜3万円
合計(1か月)約12万〜25万円

また、低所得者向けには 食費・居住費の負担軽減制度(補助制度)もあるため、詳細は市区町村に相談しましょう。


6. 介護保険の自己負担を抑えるコツ

利用限度額内に抑える → 上限を超えた分は全額自己負担になるため、ケアマネジャーと相談しながら調整
負担割合の確認 → 1〜3割の自己負担額は毎年変更の可能性があるので「負担割合証」をチェック
高額介護サービス費を申請する → 一定額以上の支払いが発生した場合は還付を受けられる


まとめ

介護保険の自己負担額は 利用サービスの種類、回数、自己負担割合、限度額 などによって決まります。

🔹 自己負担は1〜3割(所得による)
🔹 要介護度ごとに1か月の支給限度額が決まっている
🔹 利用限度額を超えると全額自己負担になる
🔹 高額介護サービス費制度を活用すれば負担軽減が可能

介護サービスを賢く活用しながら、負担を抑える工夫をしていきましょう。

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