~「できる」を引き出す道具の力~
介護の現場では「支援=手伝うこと」と思われがちですが、実は**“やってあげる”より、“できるように支える”ことが自立支援の基本**です。
そのための鍵となるのが「福祉用具」の存在。
今回は、福祉用具を使うことで実現した高齢者の自立支援の実例を紹介しながら、生活の中での変化や、介護者の負担軽減にもつながった具体的な効果を詳しくお伝えします。
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✅ そもそも「自立支援」とは?
自立支援とは、「できることは自分で行い、できない部分を必要に応じて支援する」という考え方です。
ただ食事や排泄を手伝うのではなく、できる動作を維持・回復・獲得できるよう促すことが目的です。
この考え方に沿って福祉用具を活用すると、「できないことができるようになる」だけでなく、「意欲」や「生活の質」が劇的に向上します。
✅ 事例①:歩行器で外出が習慣に
対象:80代女性/要介護2/膝の痛みあり
以前は痛みの不安から家にこもりがちで、足腰の筋力が急激に低下。
ケアマネジャーの提案で四点支持の歩行器をレンタル。
使用後は安定した歩行が可能になり、週に2~3回の近所への散歩が日課に!
結果、転倒リスクも減り、「外に出るのが楽しくなった」という前向きな声も。
▶️ 自立支援ポイント:
- 移動範囲の拡大 → 社会参加・リハビリ効果
- 生活の質の向上と閉じこもり防止
✅ 事例②:手すりの設置でトイレが一人で可能に
対象:70代男性/脳梗塞後遺症/片麻痺あり
入院後の自宅復帰に不安を感じていたご家族。
退院前カンファレンスで福祉用具専門相談員が提案したのは、トイレ・廊下へのL型手すりの取り付け。
最初は不安そうでしたが、繰り返し練習を重ねることで、介助なしでのトイレ動作が可能に!
▶️ 自立支援ポイント:
- 自尊心の回復「自分でできた」
- 介助者の負担軽減 → 介護疲れの予防

✅ 事例③:自助具で“食べる喜び”が戻る
対象:60代女性/パーキンソン病/手指のふるえあり
食事中にスプーンが手から滑るようになり、家族が食事介助を開始。
しかしご本人から「自分で食べたい」との強い希望が。
そこで滑り止め付きのスプーンや食器ホルダーを導入。
慣れれば自力で食事が可能になり、毎日の食卓が笑顔に。
▶️ 自立支援ポイント:
- 「食べたい」という意欲の維持
- 自立した食事動作が生活への自信に直結
✅ 福祉用具を使う際の3つのポイント
- 本人の状態に合った用具を選ぶこと
→ 福祉用具専門相談員による選定が大切です。 - 使い方を丁寧に指導すること
→ 適切な使い方を練習することで事故や誤使用を防止。 - 定期的な見直しと調整をすること
→ 状態が変化すれば、必要な用具も変わります。
✅ まとめ:道具は“できる”を引き出すパートナー
福祉用具は、単に「便利な道具」ではありません。
高齢者の“自立したい”という思いに寄り添い、それを実現するためのサポートツールです。
「もう無理だろう」と諦める前に、「どうしたらできるか?」と考えてみましょう。
福祉用具の力を借りれば、できなかったことが、もう一度できるようになるかもしれません。
ぜひ、専門家と一緒に最適な用具を選びながら、その人らしい暮らしを支えていきましょう。

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