談話質で秘密のカウンセリングが始まる恋。
午後の授業が終わった放課後。
俺はそっと、校舎の一角にある“あまり使われない談話室”のドアを開けた。
白衣のすそがゆらりと揺れ、
高く結い上げたポニーテールが、光を反射してキラリと踊る。
「やっほ、悠人くん。今日も“趣味のカウンセリング”に来た?」
「はい! 今日も“健康的な心の癒し”をお願いします!」
談話室の奥に座っていたのは、俺の癒しの女神――
篠原 澪(しのはら みお)先生。この高校の養護教諭で、白衣とポニーテールが抜群に似合う、ちょっと大人で、かなりズルい先生だ。
***
最初は偶然だった。
友達に「なんか相談室とか行ってみたら?」って言われて、保健室を探していたとき――
なぜかそこで寝ていた俺を見つけてくれたのが、談話室でお昼休憩中だった先生だった。
その日以来、俺は毎日、授業が終わるとここに来て、白衣とポニーテールを“見学”している。
もちろん、正式には“心の相談”という体で。
「悠人くんってさ、毎回ちゃんと“白衣のどこが最高か”語ってくれるから、ちょっと楽しいよね」
「先生の白衣は動きのある布地とポニテのコラボが神なんです。たとえばその髪がふわって揺れるたび、襟元の隙間に――」
「はいストップ! その続きは18禁の匂いがする!」
「してないです! フィジカルゼロ! 妄想だけです!」
「妄想が暴走してるんだけど!」
俺、**田嶋 悠人(たじま ゆうと)**は、高校二年。
見た目も成績も地味の代表だけど、白衣とポニーテールが好きすぎてヤバい男子として、いま密かに 一部で名を馳せている(気がする)。
***
「ねぇ、悠人くんさ。白衣とかポニーテールって、なんでそんなに好きになったの?」
「うーん、小学生のころの担任が、給食のとき白衣着てたんですけど……なんかこう、神々しかったというか」
「そこから来てんの!?」
「はい。たぶん“白衣=優しい人”っていう印象が刷り込まれて。そこに先生みたいなポニーテール美女が現れたら、そりゃもう宗教です」
「私、新興宗教の女神にされてたのか……」
「先生、信仰していいですか?」
「うーん、信者一号として、まずは洗礼の“耳かき”でもしようか?」
「マジですか!?」
「うそだよバカ!」
でも先生は、そんな俺の話に笑って付き合ってくれる。
それどころか、ときどき意識的にポニーテールを揺らして見せたり、白衣の袖をくいっと上げて 見せたりする。
もうそれ、合法的誘惑でしょ。
***
ある日の談話室、先生はコーヒーを飲みながら、ぽつりとつぶやいた。
「ねぇ、悠人くんってさ。もし将来、私が白衣をやめて、スーツ着るようになったら、もう会いに来てくれないの?」
「それは……」
「やっぱ白衣ありきの私じゃないと、ダメ?」
「……白衣は入口です。でも、ポニーテールが出口です」
「意味わかんない!」
でも本当は、白衣とかポニテとか超えて、先生そのものが好きなんだ。
そんなこと、言えるはずないけど。
だから俺は、白衣とポニーテールという“言い訳”を使って、こうして毎日談話室に通っている。
***
ところがある日、事件が起きた。
ドアを開けた瞬間、そこにいたのは――白衣を着てない先生だった。
グレーのカーディガンに、柔らかそうなスカート。そして髪は、おろしていた。
「ごめんね、今日はちょっとね……白衣、洗濯中で」
「……そっか。あの、似合ってます。髪、下ろしてるのも新鮮で」
「ありがとう。でも、ちょっとだけ寂しい顔したね?」
「えっ、してないですよ!」
先生は笑いながら近づいて、俺の額に手を当てた。
「じゃあ、今日の処方箋。明日はちゃんと白衣とポニーテール、両方揃えてきてあげる。 特別なやつね」
「先生……その、俺……」
「ん?」
「卒業したら、本気で告白してもいいですか?」
「……ふふ。白衣着て待っててあげる。そのとき、答え聞かせてね」
***
先生の髪がまた、ゆるやかに風に揺れた。
白衣もポニテも、先生の中にある優しさも、全部まとめて――
俺は、恋をしてしまったんだと思う。
談話室という、ちょっと静かな場所で。
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