体育倉庫で始まる恋はだいたいエロい

現代 × 学園・日常系

閉じ込められた男女が育む(?)青春。

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閉じ込められた男女が育む(?)青春。

 放課後の体育倉庫というのは、不思議な場所だ。
薄暗くて、汗とチョークと古いゴムの匂いが入り混じっていて、普通なら「早く出たい」と思うはずなのに、なぜか少しだけ秘密基地っぽい。
……ただし、閉じ込められなければの話だ。

「ちょ、ちょっと待って! 誰か! カギ閉めちゃダメだって!」

がちゃん。
容赦なく重い扉が閉じられた。

暗闇の中に残されたのは、俺と……

「……ねぇ、先輩。これ、どうするの?」

後輩の美桜(みお)。
運動部のマネージャーで、しかもなぜか俺のことをやたら構ってくる女の子だ。

「ど、どうするって……どうしようもないだろ。たぶん、用務員さんが気づいて戻ってくるまで、待つしか……」
「えー、じゃあ二人っきりで閉じ込められるってこと?」
「……お、おう」
「ふーん。へぇぇ……」

やばい。声のトーンが明らかに楽しそうだ。
俺は嫌な予感しかしなかった。

 

密室の緊張感

「先輩、暗いね。携帯のライトつけて」
「お、おう」

ポケットからスマホを取り出し、ライトをつける。白い光が狭い体育倉庫を照らした。
マット、跳び箱、ボール、鉄アレイ。体育の授業で使う道具がごちゃごちゃと積み上げられている。

その中で、俺と美桜は二人、壁際に座り込んだ。

「……なんか、映画みたいだね」
「映画?」
「ほら、こういうの。男女が閉じ込められて、ドキドキして、ちょっといい雰囲気になっちゃう……みたいな」

美桜がにやにやしながら俺を見上げてくる。
心臓が一気にバクバクして、思わず目をそらした。

「な、なるかよ、そんなの」
「ふふっ。否定しなくてもいいのに」

暗い倉庫。二人きり。沈黙。
耳に入るのは、彼女の吐息と、心臓の鼓動だけ。

やばい。普通に意識してしまう。

 

近い距離

「ねぇ、先輩」
「な、なんだよ」
「ちょっと寒いんだけど……くっついてもいい?」
「はぁ!?」

暗闇の中で、彼女がすっと体を寄せてきた。
肩が触れ合う。髪の香りが鼻先をくすぐる。

「おい、近いって!」
「だって寒いんだもん。ほら、体育倉庫って冷えるし」
「……そ、そうだけど」

ほんのり柔らかい感触が腕に当たって、脳内が爆発しそうだった。
絶対にわざとだ。こいつ、わかっててやってる。

「ねぇ、先輩」
「ま、まだ何か!?」
「ドキドキしてるでしょ?」
「っ……してない!」
「うそ。顔、赤いよ」

指先でつん、と俺の頬を突いてくる。
暗いのに、妙にはっきりと熱を感じた。

 

密室ドタバタ

「よし、ゲームしよっか」
「は?」
「だって暇でしょ? ……じゃあ、質問ゲーム!」

美桜は勝手にルールを決めて、俺に質問を投げてきた。
好きな食べ物、好きな教科、部活のこと。
しばらくは他愛のないやりとりだったが……

「じゃあ次。好きな人、いる?」
「っ……」
「んー? 答えないってことは……いるんだ?」

にやにやと笑う顔が近い。
俺はごまかそうとして、つい言ってしまった。

「い、いる……けど」
「……へぇ」

一瞬で空気が変わった。
美桜の目が、真剣そのものに見開かれる。

「それって……誰?」
「そ、それは……」
「言わなきゃダメ。ここから出られるの、ずっと先かもしれないし」

距離が近づく。
吐息が当たる。
心臓が爆発しそうだ。

「お、俺は……」

言葉が詰まる。
でも、口に出しかけた瞬間――

「ちょ、ちょっと待ったぁ!」

美桜が突然、俺の口を手で塞いだ。

「……え?」
「ダメ。今のは聞きたくない」
「な、なんで」
「だって……もし先輩の好きな人が、私じゃなかったら……やだもん」

耳まで真っ赤にしながら、彼女は呟いた。

 

恋とエロスの境界

「……え、ちょっと待って。じゃあ、美桜……」
「……察してよ」

次の瞬間。
彼女は俺に覆いかぶさるようにして、唇を重ねてきた。

「っ……!」

柔らかくて、あたたかくて、甘い。
頭の中が真っ白になった。

「ん……はぁ……」
「お、おまっ……」
「しーっ。声、響いちゃうよ?」

唇を離した美桜が、耳元に囁いた。
吐息が熱すぎて、体の芯まで痺れる。

「先輩……好き」

その一言で、理性が吹っ飛びかける。
だが、この状況で暴走したら本当にアウトだと、必死に自分を抑えた。

「お、俺も……」
「え?」
「俺も、美桜が……好きだ」

彼女の目が一瞬で潤んで、そして笑顔になった。

「……よかった。じゃあ、もうちょっとだけ……エロいことしてもいいよね?」
「はぁぁ!? な、なに言って――」

その後はもう、ドタバタの連続だった。
暗闇の中でくすぐり合ったり、顔を近づけては慌てて離れたり、耳を触られて変な声が出たり。
結局、本格的な「それ以上」にはならなかったけれど……。

 

朝の光

気づけば時間は過ぎ、扉がガチャリと開いた。
用務員さんがびっくりした顔でこちらを見ている。

「な、なんだ君たち! こんなところで!」
「す、すみません!」

慌てて飛び出す俺たち。
だが、出口の光の中で美桜がこっそり手を握ってきた。

「ねぇ、先輩」
「……な、なんだよ」
「体育倉庫で始まった恋って……だいたいエロい、よね」

頬を赤くしながらも、彼女は楽しそうに笑っていた。
その笑顔に、俺はもう何も言い返せなかった。

 

――こうして、俺と美桜の「だいたいエロい」恋は、体育倉庫から始まったのだった。

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