童貞先輩、性知識最強後輩に翻弄される。
プロが選ぶプレミアムホームケア、トリア
高校二年の春。放課後の誰もいない教室。
俺、**桐谷悠斗(きりたに・ゆうと)**は、突如として人生のターニングポイントを迎えていた。
「先輩、私と付き合ってくれませんか?」
そう言ってきたのは、同じ部活の後輩、姫野しおり。
小柄で、ぱっちりした目とピンクがかった唇がやたら艶っぽい。制服のスカートは短め、ネクタイはゆるめ。
見た目は可愛いけど、彼女にはある異名がある。
――『性知識最強後輩』。
保健体育の授業中、質問コーナーで「体位の理想角度ってあるんですか?」と真顔で質問し、教師を黙らせた伝説の女だ。
そんな彼女が……なんで俺に告白してんの!?!?
「あ、あの……え、なんで、俺なんかに……?」
「だって先輩、童貞じゃないですか」
「やめろおおおおおお!!それ公然情報にすんな!!」
「それがすっごく可愛くて、好きになっちゃったんです♡」
やばい、理性が削れていく……。
それから、俺としおりの交際が始まった。
付き合う、ってこんなに体力いるんだっけ?と思いながら、俺は毎日を彼女に振り回されていた。
◆一日目◆
「先輩、私のパンツ、何色だと思いますか?」
「し、知らんわッッ!!!」
「当てたら見せてあげますよ♡」
「なんのゲームだよ!!!」
◆三日目◆
「“乳首の敏感さと性格は比例する”って説、信じます?」
「頼むから下校中にそんな話題やめろ!!!道行く人が見る!!」
「じゃあ、先輩のはどうですか?」
「俺を実験体にするなあああ!!」
◆五日目◆
「先輩の部屋、意外と綺麗なんですね。でも……この引き出し……」
「それはダメーーーーッ!!!」
「エロ本発見♡ うわぁ、古っ。こんなの、今どき紙で見る人いるんですね♡」
「許してくれ……!!それは中二の俺の青春だったんだ……!!」
それでも。
付き合い始めて気づいたことがある。
彼女は確かに性知識モンスターだけど、本質はとても真面目でピュアだ。
家では勉強熱心で、弟の面倒も見てるらしい。成績も常に上位。
たまにドギツイ発言をしながらも、俺の顔をのぞき込んで「先輩が嫌だったらやめますよ?」と、ちゃんと気遣ってくれる。
ドSに見えて、実は超ツンデレな優しさ。
……正直、可愛い。
ある日、放課後の図書室。ふたりきりで勉強していると、しおりがノートを閉じた。
「先輩」
「ん?」
「私、好きなんです。エロいことも、恋愛も。でも一番好きなのは……」
不意に距離が詰まり、彼女の唇が近づく。
「……先輩が、私のことをちゃんと見てくれるところです」
「……しおり」
甘い空気が流れて、俺の心臓が爆発しそうになる。
「……だから、キスしていいですよ?」
「えっ、あっ、いや、そ、それは心の準備が……っ!」
「じゃあ私から♡」
「うわああああああ!!!」
俺は逃げた。理性の限界が来た。
逃げ込んだのは屋上。春風がやけに気持ちいい。
「童貞って、大変だな……」
そこに、後ろからスッと現れる影。
「逃げ足速いですね、先輩」
「し、しおり!? どこから……」
「先輩のパターンは大体読めてきましたから♡」
完全に手のひらで転がされてる自覚はある。
でも、もう逃げるのはやめよう。
「……しおり」
「はい?」
「好きだ。エロい話ばっかりしてくるけど、お前の真剣な目とか、ちょっと照れてる顔とか……全部、好きだよ」
彼女の目が、少し潤んだ気がした。
「……ふふっ。やっと素直になりましたね、童貞先輩♡」
「その呼び方やめろおおお!!!」
「じゃあ、“私の彼氏”でどうですか?」
「……悪くないな、それ」
「えっちぃことも、ちょっとずつ……進めていきましょうね♡」
「それはまた別問題だあああああああ!!」
そうして俺たちは、今日もまた一歩だけ、大人になった(気がする)。
もちろん、理性はギリギリだ。
(了)
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