介護保険の利用限度額について知っておくべきこと
介護保険を利用する際には、「どのくらいのサービスを使えるのか?」という 利用限度額 が重要なポイントになります。限度額を超えた分は自己負担となるため、制度を正しく理解し、計画的にサービスを活用することが大切です。今回は、介護保険の利用限度額について詳しく解説します。
1. 介護保険の利用限度額とは?
介護保険では、要介護度ごとに 1か月に利用できるサービスの上限額(支給限度額)が決められています。この限度額の範囲内であれば、介護サービスの 自己負担は原則1~3割 で済みますが、限度額を超えた分は全額自己負担 となります。
2. 要介護度ごとの利用限度額(2024年度)
要介護度 | 1か月の限度額(円) | 1割負担の場合(円) |
---|---|---|
要支援1 | 5万3,000円 | 5,300円 |
要支援2 | 10万4,700円 | 1万470円 |
要介護1 | 16万9,300円 | 1万6,930円 |
要介護2 | 19万8,800円 | 1万9,880円 |
要介護3 | 27万4,800円 | 2万7,480円 |
要介護4 | 31万9,300円 | 3万1,930円 |
要介護5 | 36万5,300円 | 3万6,530円 |
※ 自己負担額は1割~3割(所得に応じて変動)
3. 利用限度額の適用範囲
利用限度額の対象となるサービス(居宅サービス)
✅ 訪問介護(ホームヘルプ)
✅ 訪問看護
✅ 訪問リハビリ
✅ 通所介護(デイサービス)
✅ 通所リハビリ(デイケア)
✅ ショートステイ(短期入所生活介護)
✅ 福祉用具のレンタル
✅ 住宅改修(手すり設置など、限度額20万円まで)
対象外(限度額に含まれないサービス)
❌ 施設サービス(特養・老健・介護医療院など) → 施設利用は、利用限度額とは別枠で計算される
❌ 福祉用具の購入(ポータブルトイレなど) → 支給限度額(年間10万円)とは別に設定
❌ 高額介護サービス費の自己負担額
4. 限度額を超えた場合の対策
- サービスの優先順位を決める
- 必要な介護サービスを整理し、優先的に使うものを決めましょう。
- 訪問介護とデイサービスの組み合わせなど、バランスを考えることが大切です。
- ケアマネジャーに相談する
- どのサービスをどの頻度で使うのが最適か、専門家に相談しましょう。
- 限度額内で効率的にサービスを活用できるように調整してもらえます。
- 「高額介護サービス費制度」を利用する
- 1か月の自己負担額が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。
- 自己負担の上限額(世帯合算可)
- 一般世帯:4万4,400円/月
- 低所得者(年金80万円以下):1万5,000円/月
- 現役並み所得者:4万4,400円~14万円/月
- 申請が必要なので、自治体の窓口に確認しましょう。
- 介護施設の活用も検討する
- 「特別養護老人ホーム(特養)」に入居すると、限度額の枠外で介護を受けられます。
- 在宅介護が限界の場合、施設入所を選択するのも一つの方法です。
5. 介護保険の自己負担割合について
- 1割負担:年収280万円未満(単身)
- 2割負担:年収280万円以上(単身)
- 3割負担:年収340万円以上(単身)
夫婦世帯の場合、合計年収によって負担割合が変わるため、事前に確認しましょう。
6. まとめ
- 介護保険には、要介護度ごとに月ごとの利用限度額がある
- 限度額内なら自己負担は1~3割、超えると全額自己負担
- 優先順位を決め、ケアマネジャーと相談しながら利用する
- 高額介護サービス費制度を活用すると、自己負担を軽減できる
介護保険の制度をうまく活用し、無理のない範囲で適切なサービスを受けられるようにしましょう。
#介護保険 #利用限度額 #高額介護サービス費 #在宅介護 #要介護
コメント